瀬戸内寂聴さんが開いた寂庵によりますと、瀬戸内さんは先月から体調不良のため入院し、治療を受けていましたが、一昨日心不全のため京都市内の病院でなくなったということです。99歳でした。徳島市出身の瀬戸内さんは源氏物語の現代語訳を初め、伝記小説や恋愛小説で人気作家となり、数々の文学賞...
その後、私は原作に隠れた女の言い分を掘り起こす「女人源氏物語」を出しました。 源氏物語への思い絶ちがたくなり、1993年、71歳の時、講談社に私の現代語訳を持ち込みました。出版社への持ち込みはこれひとつです。重役のひとりが言いました。「仕上がりまで瀬戸内さんの命、持ちますかね」 ...
作家の澤地久枝さんの話 実にひらけたフランクな人で何事も隠し立てせず、誰にも頼らず世間の思惑にも縛られずに生きたいように生きた。「瀬戸内源氏」と呼ばれる源氏物語の現代語訳など立派な仕事もされて、見事に生きた先輩でした。 中央公論社(当時)に在職中、担当編集者として瀬戸内さんと出...