生徒は昨年4月から4カ月ほどかけて源氏物語と枕草子の原文と現代語訳をつきあわせながら研究し、作品への理解を深めてきた。その魅力を、古典に興味がない人にも伝えようと選んだのが和菓子だった。 老舗和菓子店の「鶴屋吉信」(京都市上京区)が協力した。「京菓子文化を後世に伝え、幅広い年齢層...
「源氏物語」、今なら少年ジャンプ 角田光代さん語る 古川日出男×山田尚子対談 「平家物語」とあの作品の共通点 通説より大幅に少ない明智軍 信長の白帷子にかかった血 山田洋次監督が語る「幸福の黄色いハンカチ」もう日本で撮れない理由 「別フレ」買えなかった女の子へ 閉店する本屋の意地...
才気のあるはなやかな性質の人で、源大将の訪問を受ける時にも睦むつまじいふうに取り扱って、昔のとおりに親しく語ってくれるため、大将も淑景舎しげいしゃの方が羞恥しゅうちを少なくして打ち解けようとする気持ちのないようなのに比べて、風変わりな兄弟愛の満足がこの人から得られるの...
静かな落ち着いた薫さえこんなふうに恋愛については身体からだにもさわるほどな苦しみも時には味わうのであるから、まして浮舟をお失いになった兵部卿の宮は心を慰めかねておいでになって、その人の形見の人として悲しみを語り合う人さえもおありでなく、対の夫人だけは哀れな人であったと...
女三にょさんの宮みやの物の紛まぎれもそれである。後の主人公薫かおる大将の出生のために朱雀院すざくいんの御在院中の後宮のことが突然語り出され、帝の女三の宮内親王への御溺愛ごできあいによって、薫の宮を用意した小説の構成の巧みさは前者に越えている。
与謝野晶子によって初めて現代語訳された『源氏物語』。本書により難解といわれた『源氏物語』が国民の愛読書となった。恋物語としての面白さを濃縮して、恋愛小説として楽しめるのが最大の特徴。桐壷帝の皇子光源氏は幼い頃死別した母に似た藤壷の宮に恋心を抱いていた。山寺を訪れた光源氏は藤...
現代の手本を習わせたならもっとよくなるだろうと源氏は思った。雛ひななども屋根のある家などもたくさんに作らせて、若紫の女王と遊ぶことは源氏の物思いを紛らすのに最もよい方法のようだった。 大納言家に残っていた女房たちは、宮がおいでになった時に御挨拶ごあいさつのしようがなく...
戦争中の39~41年に刊行されベストセラーになった谷崎潤一郎の現代語訳は、国粋主義者で国語学者山田孝雄の校閲があったといわれる。だが、山田の蔵書や谷崎訳を研究している早稲田大大学院博士課程の西野厚志さんは「谷崎が自主的に削った部分も多いとわかってきた。山田の名を借りて、世間の声...
『源氏物語』の現代語訳者の一人である与謝野晶子は、『女子作文新講 巻3』(国風閣、1929年)において「女性から観た女性を描写する事は、女性の作者の方が男性の作者に比べて巧妙なのでないかと、わたしは考へてゐる。男性から観た女性を巧妙に書く作…続きを読む さらに1件(後藤洋平さんなどがコ...
森山さんは、約100年前にイギリス人の東洋学者アーサー・ウェイリーが英訳した『源氏物語』を、再び日本語に訳す「戻し訳」を毬矢まりえさんとともに手がけました(『源氏物語 A・ウェイリー版』は左右社から全4巻が刊行)。古典の魅力を紹介する名手として、ゲンロンカフェでもお馴染みの...