黒7、9はAI(人工知能)流である。個性派最右翼の山下敬吾までもがAI流を採用する。ベテランの嘆きも分からないではない。 盤上の大変革は過去たびたびあった。17世紀後半の本因坊道策の登場、昭和初めの新布石ブーム、昭和20年代から30年代にかけてのコミの本格導入。それらに劣らないのがAI...
対局開始の午前10時まで約20分。彼は検討室にある観戦記の切り抜きを眺めて過ごした。 余は青づくしのいでたちで現れた。濃い青のスーツにネクタイも同色系でそろえた。ワイシャツもうっすら青い。青が大好きなんだとか。きっと勝負ウェアだろう。1勝3敗同士のこの碁。落とせばリーグ落...
続いて黒B、白15、黒C、白D、黒E、白14、黒19、白21、黒20は、囲碁AI(人工知能)「アルファ碁」が多用したことで、最近大流行の定石だ。「黒1と5の配置がよく、この変化なら黒はよかったのですが」と解説の林漢傑七段。 白18のサガリに黒は19と切る。白20からノータイムでばたばたと32ま...
黒7のノゾキは、囲碁AI(人工知能)が打ち出す前から張が愛用してきた。本局ではとくに、黒が9と下辺に勢力を築こうとしたとき、白Aの肩つきから消されるのを防いでいる。 白10、12の両ガカリに、黒は13から19と切った。「黒21のブツカリは難しい変化を含んでいます」と張解説者。よくあ...