デビューから17年、文学賞に縁のなかった作家生活に、栄誉が訪れた。 「私が茶わんだとすると、大きなどんぶりに入れるご飯をいただいたよう。入りきらないほど大きな賞です」 世に出たのは早かった。大学卒業の年に少女向け小説レーベルのコバルト文庫でデビュー。でも、さっぱり売れなかっ
2008年にデビューした阿部さんは花巻北高3年だった03年、全国高校文芸コンクールの小説部門で最優秀賞と文部科学大臣奨励賞に輝いた。当時の取材に「小説家は、なれないと恥ずかしいので(なりたいと)思わないようにしています」と答えていた。 さわや書店フェザン店では5月10日午後2時、阿部さ...