・さみしいけれども馬齢マヽ薯咲いて 六月三日 徹夜だつたから早い、五時にはもう支度が出来た、あまり早うて気の毒だつたけれど、ルンチヤンを起す、六時のサイレンが鳴る前に二人は出立した、彼は故郷鳥取へ、私は北九州へ。 六月三日から 行乞記 六月十一日まで 展开剩余...
日语文学作品赏析《行乞記 大田》作者:種田山頭火 来源:青空文库 2010-01-11 00:00 七月十四日ずゐぶん早く起きて仕度をしたけれど、あれこれと手間取つて七時出立、小郡の街はづれから行乞しはじめる。大田への道は山にそうてまがり水にそうてまがる、分け入る気分があつてよい、心もかろく身...
九時の汽車で山鹿まで、二時間ばかり行乞する、一年ぶりの行乞なので、何だか調子が悪い、途上ひよつこりS兄に逢ふ、うどんの御馳走になり、お布施を戴く。一杯ひつかけて入浴、同宿の女テキヤさんはなか/\面白い人柄だつた、いろ/\話し合つてゐるうちに、私もいよ/\世間師になつたわいと痛...
十月廿日 晴、曇、雨、そして晴、妻町行乞、宿は同前。果して霽れてゐる、風が出て時々ばら/\とやつて来たが、まあ、晴と記すべきお天気である、九時から二時まで行乞、行乞相は今日の私としては相当だつた。新酒、新漬、ほんたうにおいしい、生きることのよろこびを恵んでくれる。歩かな...
今、電話がかゝつてゐるから、行乞の声をやめてくれといふ家もあつた、笑止とはこれ。一銭から一銭、一握の米から一握の米。暮れて徳山へついた。徳山は伸びゆく街だ。白船居では例のごとし、酒、飯、そしてまた酒。雑草句会に雑草のハツラツ味がないのはさみしかつた、若人、女性を見分...