「憎いのは吉弥、馬鹿者はあなた、可哀そうなのは代りに行った芸者だ」と、妻は泣いて僕に語った。 その翌日から、妻は年中堪こらえに堪えていたヒステリが出て、病床の人となった。乳飲み児はその母の乳が飲めなくなった。その上、僕ら二人の留守中に老母がその孫どもに食べ過ぎさせたので...