日銀は3月、物価上昇率2%目標を達成する見通しとなったとし、17年ぶりの利上げに踏み切った。ただ、長期金利を低く抑えるための国債の買い入れは、これまでと同額としていた。最大の買い手である日銀が購入額を減らすと、金利が急騰する恐れがあったためだ。
国債購入によってお金を市場に供給するとともに、経済の下支えのために長期金利(満期10年の国債の利回り)を含(ふく)む金利全体を引き下げる効果を狙(ねら)った。11年間に及(およ)ぶ大規模緩和の結果、日銀の国債保有残高は発行残高の5割超(ちょう)にあたる約580兆円まで膨(ふく)らんでいる...
――黒田東彦(はるひこ)総裁の下での日本銀行の超低金利政策をどうみていますか。 「日銀はデフレを脱却するため、黒田氏が就任する前から超低金利政策をやってきました。黒田氏以降の政策のポイントは、旧来の低金利政策を超えたところにあります。代表的なのが、(国債を買い入れて市場にお金...