作業に当たって,一つの仮説を立てておこう.芥川は翻訳の際に,章単位で訳文を作っ ているであろうということだ.ただし,訳す際には冒頭から順序よく訳したとまでは仮定 しない.自殺した時にはいくつかの訳し終えた章と,場合によっては,途中までしか訳さ れていなかった章が残されていたで...