漱石の初期作には「吾輩が猫である」、「坊ちゃん」、「草枕」、「野分」などがある けれども、「自己本位」の思想が強く、断固として真っ向から「文明開化」への強 い対立が現れる。 中期作の「三四郎」、「それから」、「門」などの作品になるとはっきりした自分の 立場と強い自己主張が...