だが、この作品では、主人公の大が乗った列車がトンネルを抜け、東京へと向かうことでむしろ映画が動き出す。つまるところ、少年から大人への旅立ちとして成立している物語が、強みでもあり、弱みでもある作品なのだ。 映画評論家 吉田広明 両親が「普通」ではないとの気づきから、色眼鏡で見...