酒はよし、景色はよし、日和は続く。どこへ行っても女はふらない。師走の山路に、嫁菜が盛りで、しかも大輪おおりんが咲いていた。 とこの桑名、四日市、亀山と、伊勢路へ掛かかった汽車の中から、おなじ切符のたれかれが――その催もよおしについて名古屋へ行った、私たちの、まあ……興行...